”親子の絵本時間”

 

こんにちは。

がまがえるのがまです。今日は絵本について少しふれたいと思います。

 

「みなさんのお子さんは、絵本が好きですか?」

 

教室での子どもたちの様子を見ていると、みなさんの答えは「はい」の方が多いのではないでしょうか?


私たちは毎回教室の際に、たくさんの物語やファンタジーの世界に出会って欲しい、絵本からさまざまなことを感じて欲しいという思いから、年齢、季節などをふまえて絵本を選び、教室の締めくくりに必ず読むようにしています。

 

わずかな時間でも、絵本を通して、子どもたちと楽しい気持ちや嬉しい気持ちを共感できるのは心地よく、真剣に見入っている姿を見るとうれしくなります。


絵本は、子どもたち、そして読み手の大人を心地よい世界に連れて行ってくれる、大切な存在だと感じます。

 


先日私たちは、乳幼児教育のスペシャリストである樋口正春氏(※)より、子育てについてのセミナーを受けました。

その中で、読書についてのエピソードがありましたので、ご紹介したいと思います。

 

「読書は、こころに窓を作る仕事です」


これは、樋口氏が英国の児童文学研究家 故アイリーンコルウェルさんと出会い、感銘を受けた言葉です。

 

樋口氏は、

 

「もし、こころに窓がなければ家の中はいつも暗いし、外(世界)のことが見えない。

窓があることで家の中は明るく照らされ、外の世界をよく見ることができる。

子どもたちにとって読書というものは、単に知識を得るための道具でもなければ、

文字の読み書きを学んだり、文章読解力を身につけたりするためのものでもない。

(読書が好きになり、たくさんの物語と出会っていく中で、結果としてこのような力が育っていくとしても)自分のこころに窓を作ること、

そして窓をさらに大きくしていくことが大切である。

そして、読書が好きになるために、子どもたちには、まずよい絵本にたくさん出会ってほしい」

 

と話していました。

 

このお話を聞いて、私たちは「絵本を読んであげることの大切さ」を改めて認識し、

「子どものこころに窓を作る」きっかけを与えることができるのは、親や教育者を含めた周りの大人たちだと思いました。

 

「絵本を読んであげることの大切さ」をご存じない方はいらっしゃらないと思いますが、家事に育児にお仕事に、お母さんもお父さんも多忙な日々で、ついつい絵本を読むことが後回しになってしまいがちです。


そんな状況を少しでも変えられたらと、今回当教室で「おはなしカード」を作りました。


子どもも大人も一緒になって絵本を楽しむ時間を、意識的に作ろうというのがねらいです。

 

「おはなしカード」には、日にちと◯が記入できるようになっています。

◯は、2冊読んだら2つ、3冊読んだら3つ、

同じ本であっても、子どもの「もう一回!」に応えたらもう1つ、というように記録していきます。

これは、お友達や過去の自分と、◯の数を比べたり、競うことが目的ではありません。

体調が優れなかったり、どうしても疲れてしまって、絵本を読む時間が取れないことだってあるでしょう。


あくまでも「いつか子どもと一緒にしあわせな時間を思い返せるように記録をつけること」

「第三者に定期的に見せることで、行動が習慣化されること」を目指すためにあります。

 

「えっ?もう、うちの子は大きいし、自分で読ませた方がいいのではないかしら?」、

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。


でも大切なのは、子どものこころを充分に満足させるために大人が読む、そして大人も一緒に楽しむことです。

もしかしたら、子どもたちの純粋な反応を見て、日常生活に疲れてしまった大人の方が癒され、元気づけられることもあるかもしれません。

 

子どもたちの人生の中で、親が絵本を読んであげることができる時間は、そんなに長くはありません。

子どもたちがよい絵本に出会っていくチャンスを作ってあげたり、1日一度でも、お子さんを膝の上にのせたり、真横に座らせたりして、

絵本を一緒に読む時間を作ってみてはいかがでしょうか?

 


お子さんに「もう一回読んで!」と言われて、もし気持ちに余裕があれば、もう一度読んでみてください。

子どもにとって、大好きな大人が自分のために手を休めて絵本を読んでくれる、こんなしあわせな時間はありません。

そのしあわせな時間は、何十回でも何百回でも体験したいものです。

 

充分に絵本を読んでもらう経験をしたお子さんは、きっと絵本が大好きになることでしょう。

その経験が、いずれ自分で本を読んで楽しむ力につながります。

 

子どもたちが、絵本を大好きになりますように。

そして「絵本の時間」が、親子がともに安らぎ、こころ通う時間となることを願っています。

 

参考図書 『絵本から広がる遊びの世界 読み合う絵本』 樋口正春・仲本美央 編著 読みあう活動研究会 著 風鳴舎

 

※樋口正春氏

社会福祉法人高洲福祉会まどか保育園・石神井町さくら保育園理事長。保育創造セミナー、こどもたちの遊びとおもちゃ 株式会社エルフ代表。毎年、全国で数多くのセミナーを開催、またドイツでの海外幼児教育研修を30年以上続けている。(研修では、ドイツの幼児教育現場の見学や、おもちゃメーカー、作家を訪ねる旅を行っている)

今回、日本語空間「わらく」のために、たくさんの本を寄贈していただきました。子どもたちとの絵本の時間に活用させていただきます。ありがとうございました。

 

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