日本語空間「わらく」我が家の絵本との付き合い方

 

9月に入り、2週目が過ぎようとしています。

すでに学校が始まった子どもたち、もうすぐ始まる子どもたちと、新しい1年を迎える時期ですね。

 

前回のブログでは、がまくんが「親子で絵本を楽しむこと」について書いてくれました。

今日は「我が家の絵本との付き合い方」を少しご紹介しようかなと思います。

 

 

ところで、みなさんは「絵本は子どもだけのもの」なんて思っていませんか?

かつての私もそう思っていました。

 

でも、違うんですよ!

 

先日、大人になって久しぶりに絵本を見た友人も「絵本って結構おもしろいんだね!」と言っていました。

 

そうなんです!

 

「絵本って、見れば見るほどおもしろい、よくできているなぁ」

って、思わず感心してしまいます。

作家さんたちは、絵本の本文だけでなく、ときには絵の中にも、いろいろな仕掛けをこっそり用意してくれていたりします。

 

 

私自身は、日本で仕事をしていた時には、あまり意識して絵本に接する機会はありませんでした。

 

海外で自分の子どもたちが生まれ、育児書の中で「日本語維持のためにも絵本の読み聞かせは大切」だと知り、

かつては半分義務のように絵本を読もうとするも、一日仕事で疲れた後では、精神的にも肉体的にも余裕がなく、

ほとんど積極的に読むことができませんでした。

 

今の仕事を始めるようになって、少しずついろいろな絵本と向き合うようになり、

また、昨年末受けた樋口正春先生のセミナーで、絵本について改めて考えるきっかけをいただきました。

 

同時に、絵本好きで絵本の楽しさをうれしそうに話す友人と、新しく出会った絵本の話をしたり、オススメの絵本を紹介しあったりと

「絵本」が共通の話題になってから、何より自分自身「絵本」が楽しくなりました。

お互いの家に遊びに行くと、いつも本棚を見せあっています。

 

そして「子どもだけでなく大人も楽しめる」と気づいてからは、読み聞かせの時間が自然と増えていき、

親自身が「絵本の存在」を意識したことで、子どもも絵本を意識するようになり、絵本がすっかり日常の一部となりました。

 

また、私が読み聞かせをするだけでなく、子ども自身で本棚から絵本を引っ張り出して一人で眺めるなど、

少しずつ絵本との付き合い方も変わってきました。

 

 

今は「絵本の読み聞かせ」という時間は、子どもだけでなく親にとっても、子どもと一緒に共有できる確固たる時間となっています。

 

特に今年3月からの外出制限の期間中、絵本は子どもたちの娯楽の一部となり、

ネットで子どもと一緒に絵本を選んで日本から取り寄せることが数少ない楽しみとなり、

親子で新しい絵本にたくさん出会う貴重な機会を得ることができました。

(日本郵便が配達を停止していた中、大手通販サイトはDHLで配達してくれるので、なんと1週間程で日本から品物が届いていたのです!)

 

子どもたちは、ふとした時に、絵本のフレーズを口にしていることがあります。

絵本が目の前になくても、言葉を音で楽しんでいるのかな、と思う瞬間です。

 

それがしばらく読んでいなかった本だったりすると「久しぶりに読んでみようか!」と、懐かしい友達に出会うような気分で、

また同じ時間、同じ感覚を、子どもたちと一緒に過ごせることが楽しいと思えるようになりました。

 

 

そして「絵本がおもしろい」と感じ始めた私たち親子にとって、日本でできる楽しみといえば、本屋さんや図書館に行くこと。

 

特に、好きな絵本を見つけたり自由に手に取れる、日本の絵本が(買わなくても)読み放題(!)である図書館は、

まさに夢のような場所でした。

 

子どもたちは(字が読めても読めなくても)絵だけをじーっとみたり、いろいろな本を手にすることで、

それぞれが思う「おもしろそう」な本を見つけて、子どもの閲覧用の机の上に広げたり、マットの上に座っていた姿がとても印象的です。

(前年と全く違う子どもたちの様子を見て、おばあちゃんも驚いていました)

 

 

 

「自分の手で、自分の好きな本を探す」

 

子ども自身が自分で本を選んだとき、なんとなくその顔には誇らしげな表情さえ感じます。

 

そして、その本の読み聞かせするときは、子どもたちの食いつきが違い、興味を持って、積極的に聞いてくれています。

 

ちなみに、絵本から得た知識が意外にも多いことを、子どもたちが教えてくれました。

例えば、我が家の3歳児が、レストラン街に飾られている提灯を見るたびに「オバケ!」というので何かと思ったら、

絵本で見た「ちょうちんお化けと一緒だ」というのです。本人は、日本でちょうちんの実物が見られたことを、喜んでいました。

 

 

 

 

かつて絵本を書いていた友人は

 

「絵本はおやつだ」

 

と表現しました。

 

「テーブルについて、手を合わせ、いい姿勢で食べる三度の食事と違い、おやつは、食べなくても死にはしないけど、

 

それがなきゃツマラナイ

 

寝っ転がってもいいし、押入れの中でもいいし、

 

自分が好きなときに、自分が好きな味を、好きなように楽しむ感じ

 

大人が、自分の好きなものがたくさん載っている写真集を、じーっと眺めるのと同じような感覚でしょうか。

 

 

絵本は何百冊、何千冊とあるので、探すのも選ぶのも悩んでしまいますよね。

 

今年の始めに「わらく」で「おはなしカード」を配布して、ご自宅での絵本の読み聞かせ記録をお願いしたとき、

保護者の方たちが、お互いに絵本を3冊ずつ回す「絵本の交換会」を始められました。

普段家庭で読んでいる本、子どもたちが好きな本がわかる上に、新しい世界の絵本にも出会えて、

とてもいいアイデアだと思いました。

 

これからも新しい「おやつ」との出会いを楽しみに、いろいろな方と絵本についてお話をしていきたいです。

 

   みなさんは、普段どのような絵本を読み聞かせていらっしゃいますか?

 

   お子さんは、どんな絵本が好きですか?

 

   ご自身のお気に入りの絵本は、なんですか?

 

ぜひ、メールなどで、お聞かせください。

 

こどもバイリンガル教育家 田中 響子

こどもバイリンガル教育家 田中 響子

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